令和6年度 舞鶴市立倉梯小学校 いじめ防止基本方針

 

はじめに

 いじめは、いじめを受けた児童生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命または身体に重大な危険を生じさせるおそれがある重大かつ深刻な人権問題である。また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、感染者や医療従事者、その家族などに対する偏見や差別等の被害が発生することも考えられる。

 舞鶴市立倉梯小学校いじめ防止基本方針(以下「基本方針」という。)は、児童一人一人の尊厳と人権が尊重される学校づくりを推進することを目的に、舞鶴市、学校・地域住民・家庭その他の関係者の連携の下、いじめの問題の克服に向けて取り組むよう、いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号。以下「法」という。)第13条の規定に基づき、生徒指導提要改訂版(令和4年12月)を参考にしながらいじめの防止等(いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処をいう。以下同じ。)のための対策を総合的かつ効果的に推進するために策定するものである。 

 

第1 いじめの防止等の組織

1 いじめの防止等に関する取組を実効的に行うため、校内に「いじめ対策委員会」を置く。

2 「いじめ対策委員会」の構成員は次のとおりとし、必要に応じて関係する教職員や学校アドバイザー、スクールカウンセラー等の専門家を加える。

  校長、教頭、教務主任、生徒指導主任、いじめ対策担当、各学年代表、教育相談主任、養護教諭

3 「いじめ対策委員会」は月1回を開催し、緊急に必要があるときはこの限りでない。

4 「いじめ対策委員会」は、次のことを行う。

(1)   基本方針に基づく取組の実施、具体的な行動計画の作成・実行・検証・修正

(2)   いじめの相談・通報の窓口

(3)   関係機関、専門機関との連携

(4)   いじめの疑いや児童生徒の問題行動などに係る情報の収集と記録、共有

(5) いじめの疑いに係る情報に対して、関係する児童生徒への事実関係の聴取、指導や支援の体制及び保護者との連携等対応方針の決定

(6) 重大事態が疑われる事案が発生した時に、その原因がいじめにあるかの判定

(7) 重大事態に係る事実関係を明確にするための調査

(8) 当該重大事態を踏まえた同種の事態の発生防止のための取組の推進

 

第2 いじめの未然防止

1 基本的な考え方

 いじめは、どの児童にも起こりうるものであるとともに、どの児童も加害者にも被害者にもなりうるものである。このことを踏まえて、すべての児童を対象に互いの個性や価値観の違いを認め、自己を尊重し、他者を尊重するなど豊かな感性を育むとともに、いじめを許さない集団づくりのために、全教職員がPTA等関係者と一体となって継続的に取組を行う。

 

2 いじめの未然防止のための取組

(1)   学び合う児童を育てる授業づくり・学級づくり

ア 主体的・対話的で深い学びのある問題解決型の授業づくり

イ 生徒指導の4つの視点を生かした授業の研究

1 自己存在感の感受

2 共感的な人間関係の育成

3 自己決定の場の提供

4 安全・安心な風土の醸成

ウ 一人一人が大切にされ、学び合える学級づくり

エ ア、イ、ウのための視点

1 児童は、自分の考えや思いを友達に伝えようとしている。

2 児童は、友達の良いところを見つけようとしている。

3 児童は、友達の考えを聞いて、関連発言をしようとしている。

4 児童は、友達と違う考えや質問があれば、積極的に発言しようとしている。

5 児童は、課題解決に向けて、大事なところで関わろうと努力している。

6 教師は、一問一答式や知識だけを伝える授業にならないように努力している。

7 教師は、「児童の気づき」を大事にしている。

8 教師は、ペアトークやグループ学習を採り入れながら、児童一人一人が活躍し、認め合えるように環境を整えている。

9 教師は、学習の「めあて」「ふりかえり」を大事にするとともに、本時の児童の学び合いのよさを伝えている。

10 教師は、「学び合いの言葉」を教室で広めている。

 (2) 学力定着の取組の推進

ア 学習規律の徹底

イ 少人数授業の推進

ウ 教室環境の整備

エ 朝学習や補充学習の充実

オ 教科書・学用品の準備【家庭の協力】

キ 家庭学習・自主学習の充実【家庭の協力】

ク 規則正しい生活習慣の確立【家庭の協力】

(3) 自己判断力の向上を目指す規律ある学校づくり

 ア 時間を守って行動する力の育成

 イ 自己判断力の育成による規範意識の向上(学校の決まりの順守、非行防止教室など)

 ウ 高め合える児童相互の関係づくり

 エ 社会性と情動の学習による社会的スキルの向上、感情のコントロール

 (4) 自己有用感を育む取組の推進

 ア 学級で役に立っていると感じられる行事や係活動

 イ 学級で役に立っていると感じられる委員会活動、清掃活動、登校班

 ウ リーダー性を発揮できる異年齢活動の充実

 エ 保幼小連携活動の充実(各学期1回)

(5) 互いを認め合い、支え合い、感謝し、安心できる関係づくり

ア あいさつの励行、あいさつレベルの活用(通年、青葉中学校区あいさつ運動 6月、11月、1月)

イ コミュニケーション活動(通年)

ウ 特別支援学級、通級指導教室、別室対応、個別指導についての理解教育及び食物アレルギー対応についての児童理解(4月、通年)

 エ 体験活動の充実(生活科、総合的な学習の時間、行事、クラブ活動、)

 オ 道徳教育の推進(道徳科の充実、通年)

 カ 児童会活動の充実(1年生を迎える会4月、音楽集会7月、なかよし班活動通年等)

 キ 地域との交流活動やボランティア活動への参加

(クローバーボランティア活動、地域行事等への参加、青葉中学校生徒会取組への協力)

 ク 小中一貫教育の取組の充実(生活体験6月、部活動体験8月、体験入学1月)

 ケ 児童同士をつなぐ研究部を中心とした特別活動によるコミュニケーション能力の育成

(6) いじめについて理解を深め、命の大切さや思いやりを育む取組の推進

ア いじめ防止強化月間における道徳科授業の公開

イ 人権旬間における人権教育授業の公開(12月)

ウ 人権教育の推進

(7) 教職員の資質能力の向上を図る取組の推進

ア 校内研修の実施

イ 研究・生徒指導だよりの発信

ウ 校外研修会への参加

エ 市いじめ不登校対策会議への参加および復講

オ 外部講師による出前講座 

(8) 検証方法・改善方法

ア 毎朝の健康観察時における児童の登校状況把握(毎日)

イ いじめ防止対策委員会による状況把握

ウ 児童生活アンケート及び「もり清水の時間」の活用

エ 保護者アンケートの活用

オ 次年度のいじめ防止基本方針及び計画の改善(3学期)

カ アセスによる児童の学校適応感尺度を利用した調査(1学期・3学期実施)

 

第3 いじめの早期発見

1 基本的な考え方

 いじめは、遊びやふざけ合いを装ったり、教職員にわかりにくい場所や時間に行われたりするなど、教職員が気付きにくく判断しにくい形で行われることを認識することが必要である。このことから、児童が示す変化や危険信号を見逃さないように、日頃からの児童の見守りや信頼関係の構築等に努める。

 

2 いじめの早期発見のための取組

(1) 情報の集約と共有

ア いじめに関する情報については、些細なことも含め「いじめ対策委員会」で情報を共有する。

イ 共有された情報については、各学年主任や児童交流会等を通じて全教職員で共有する。

ウ 緊急の場合は、職員会議等で情報を共有する。

エ 児童交流会を実施し、気になる児童を全職員で共有する(毎週 木曜日)。

(2) 全児童を対象としたアンケート調査及び聴き取り調査を実施する。

ア アンケート調査(6月、11月)   

イ 聴き取り調査(6月、11月、2月)

(3) 相談体制の整備と周知

ア 教育相談、特別支援教育委員会による状況の把握(毎月)

イ スクールカウンセラーとの情報の共有

ウ 教育相談週間「もり清水の時間」による二者懇談(6月、11月、2月)

エ 舞鶴市教育支援センター「明日葉」、「子ども総合相談センター」、「いじめ相談室」との情報の共有

オ 校内相談窓口の設置

 

第4 いじめに対する取組

1 基本的な考え方

 いじめの発見・通報を受けた場合は、特定の教職員で抱え込まず、速やかに「いじめ対策委員会」で情報共有し、今後の対応について検討する。その際には、被害児童を守り通すとともに、加害児童に対しては教育的配慮の下、毅然とした態度で指導する。これらの対応については、教職員全体の共通理解、保護者の協力、関係機関・専門機関との連携に努める。

 

2 いじめの発見・通報を受けた時の対応

(1) いじめと疑われる行為を発見した場合、その場でその行為を止めさせる。

(2) いじめと疑わしき行為を発見した、あるいは相談や訴えがあった場合には、速やかに「いじめ対策委員会」で情報を共有する。

(3) 「いじめ対策委員会」を中心に関係児童から事情を聴くなど、いじめの有無の確認を行う。結果は、加害・被害児童及びそれぞれの保護者に連絡するとともに、教育委員会に報告する。

(4) いじめられた児童、その保護者への支援を行う。

(5) いじめた児童への指導を行うとともに、保護者に、よりよい成長に向けて学校の取組方針を伝え、協力を求める。

(6) 児童の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは、直ちに警察等との連携を図る。

(7) いじめが起きた集団に対しても自分の問題として捉えさせ、集団の一員として、互いを尊重し、

認め合う人間関係を構築できるような集団づくりを進めていく。

 

3 ネット上のいじめへの対応

 (1) ネットいじめを誘発する通信情報システムについての研修を実施する。

 (2) ネット上の不適切な書き込み等については、直ちに削除する措置をとる。

 (3) 情報モラル教育を推進する。(非行防止教室等の実施)

 

第5 重大事態への対処

1 重大事態が発生した場合は、直ちに教育委員会に報告し、調査を実施する主体等を協議する。学校が調査を行う場合は、「いじめ対策委員会」を中心に、被害児童・保護者の思いを踏まえるとともに、調査の公平性・中立性の確保に努め、事実関係を明確にする。

 

2 学校で行う調査の状況については、必要に応じていじめを受けた児童及びその保護者に対して適切に情報を提供し共有する。

 

3 調査結果を教育委員会に報告する。

 

4 調査結果を踏まえ、当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な取組を進める。

 

第6 関係機関との連携

1 地域・家庭との連携の推進

(1) PTAとの連携の下、いじめに対する理解を深める取組を推進する。(研修会の実施)

(2) いじめの防止に関する学校の基本方針や取組をホームページ等で積極的に発信する。

 

2 関係機関との連携の推進

警察、児童相談所等の関係機関と適切な連携を図るよう努める。